博多で大雨直撃し野宿した話
- Giro
- 3 日前
- 読了時間: 11分
少し間が空いてしまったが
8/9~11まで福岡県は博多市に撮影で行っていた。
行く前からちょうど雨と重なりそうだという予報で
若干気は重かったが、別に屋外で撮影するわけでもないし
ということで、機材はけっこうな装備で。

Z 400mm f/2.8 TC VR S
Z 70-200mm f/2.8 VR S
AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR の3本
これにZ9が2台とバッテリー等々。
天気予報はこんな感じ。

・8/9
3日間とも雨か、と思いながら9日の早朝に出発。
確かに天気は悪く着いた頃にもポツポツとは降っていた。
9日は色々あって撮影自体があまり順調ではなかったが無事に終え宿に移動。
ところで最近の宿代の高騰はすさまじいものがある。
特に3連休と被るとかなり酷い事に。というわけで宿を少し不便だけど安いところに取った。
具体的には博多駅から在来線で1時間ほどかかるところに。
朝が早かったこともあり、8/9の夜は最低限のデータバックアップや充電作業のみで
早めに就寝。
しかし夜中にスマホが鳴り、土砂災害の緊急避難情報みたいなものが(スクショ忘れ痛恨)
とはいえ宿の辺りは別にすさまじい豪雨とかではなく
エリアによってはそうなっているのかな、くらいのもので危機感は無かった。
・8/10 宿に戻れず
翌朝、確かに雨は降っているが、しとしとといった感じで
別段影響は無さそうだった。宿を出て撮影に向かう。
現場到着、雨僅か。気にせず撮影を行う。
友人が遅れて現場に向かっているという連絡をくれていたのだが
バスが遅れている、という話。ここら辺から徐々に雲行きが…
撮影がほぼ終わり、撤収モードに入りかけた頃に
遅れて来ていた友人と合流、少し話をすると、バスが30分も遅れていたとのこと。
そんなに?なんかあったの?
雨の影響?そんなに降ってるの?
そんな話をするが、博多周辺は別にそこまでの豪雨ではなく
お互いにピンとは来ていなかった。
が、徐々に新幹線が止まってるらしい、と言った話も出始める。
私は翌日までいる予定だったが
この日に帰る予定だった人も周りにはいたので
新幹線止まってて帰れるんだろうか?といった不安も徐々に。
とりあえず移動しようとバス停に向かう、ダイヤも乱れてそうだったので
みんなで情報集めつつ移動しようか、なんて感じだったが
たまたま、私の宿の方角に向かう駅までのバスがやってきたので、それに乗って移動。
方面の違う(博多駅に向かう)人とは分かれ、たまたま同じ方面だった方お一人と。
駅到着、予定ではここから1時間弱在来線で移動して宿へ。
しかし、駅では案内が…
当駅から私の宿がある駅まで向かう、そのちょうど間くらいの駅までしか行かず
それ以降は運転見合わせ中とのこと。
少しまだ電車まで時間はあり、駅員さんに確認してみる
選択肢はおおまかにこの3つ
・博多に向かった方が移動の選択肢は増えそう?
・運転見合わせが再開するまでこの駅で待機
・電車が動いているうちに、進める所まで行って、その駅で待機して様子を見る
駅員さんの答えは3つ目
今のうちに動いている所まで行くべき、とのこと。
それを信じて行動を開始、改札をくぐり
博多行きとは反対側のホームにて電車を待つ。
電車が来るまでは約10分。
スマホで情報を調べていると、思った以上に広範囲に影響が出ている。
が、なにせ自分自身は大雨に降られたわけでもなく実感がわかない。
とりあえず電車が動いている先の駅まで行って、そこからどうするか。
最悪タクシーも視野に、と考えていたら、
駅の電光掲示板がいきなり消える。
そしてアナウンス。こちら方面の電車は全て運転見合わせとなった、と。
まずいことになった、と思うも、なにせ自分ではできることがない。
この駅でしばらく様子を見るべきか、と思うが
小さな駅で休憩できる場所もほぼ無さそうで、さすがに不安になる。
そこで逡巡の末、博多へ戻ることにする。
たまたま、顔見知りの方お二人と出会い、一緒に博多へ。
博多方面行の列車は直ぐに来て、無事に乗れた(が、実はほんの少し後で
こちらも完全に運休になっていたので、間が悪ければこの駅で足止めになっていた)
3人で博多駅に戻る。
とりあえず落ち着いて情報を集めたいのと
疲れもけっこうきていたので休みたいのと
後はお腹も減ってきたのでどうにかしておきたい、というのがあり
3人で夕食を取りながら作戦会議を。
なお1名は博多から地下鉄で少し行ったところの駅で宿が確保でき
もう1名は地元の方なので、地下鉄とローカル線が動いているなら帰れそう。
私はこの時もまだ宿に戻る方法を模索していた(宿にノートPC等を置いているのもあり)
食事をとりながら情報をまとめていると、刻一刻と状況は悪化していた。
JR在来線は全面、当日全ての運休が決定してしまい、今日中に復旧して宿に帰る方法がなくなる。
新幹線で小倉まで行って、そこからならバスが宿の最寄り駅まで出ていることがわかるが
新幹線も既に全面運休。

博多から出るのは地下鉄、ローカル線、あとはタクシーくらいになってしまっていた。
夕食も食べ、方針の決まってない私に他の人を付き合わせるのもなんなので解散。
宿へ向かうのはかなり困難なようなので、博多周辺で宿を探すことに。
・8/10-2 宿が無い
博多駅の周辺はビジネスホテル乱立地帯だ。
ぱっと検索するだけで30軒くらいは出てくるだろう。
とはいえ当日今からというのをネットで検索して回るのもやきもきするし
スマホの充電は今後のために温存しておきたい。
というわけで駅の周囲のホテルを当たってみることにする。
が、10件くらい片っ端から回ってみたが
当然のごとく、全て空き室無し、という状況。
(1軒だけ、スウィートルーム的な部屋なら空いてますと45,000円くらいを要求されるがさすがに高すぎて諦める)
ここに来てようやく、自分が
台風のニュースでよく見る「帰宅困難者」になっていることを自覚する。
ただし、何度も言うが決して博多駅前がどしゃ降りで、といった事はなかった。
なんならたまに雨は降るが、暑くもなく涼しくて散歩にいい、くらいの気候である。
しかし博多駅周りには当然ホテルだけではない。
ネットカフェ等も多いので、仕方ない、今晩はそういうところで泊まろう
と方針を変えてみるが

完全に満員で、入り口前には溢れた人たちが壁にもたれかかったり床に座り込んだり
あるいは床に寝転んだりしているような状況だった。
この時点で20時ごろ。
なにせこちらは、例の望遠レンズ3本にカメラ2台の機材バッグを持ったままで 移動にも限界がある。
ちょっと疲れが来ていて、私も一時この人溜まりに身を寄せることに。
1つには、このネットカフェ自体は複合施設のビルの中にあり
ネットカフェの中には入れなくとも、屋根や空調がある施設の中であること。
突然豪雨になっても大丈夫だし、暑さ寒さも問題ない。
24時間営業のネットカフェなので、恐らく朝までこの前にいても問題ないだろう。
また、自販機もあるので飲み物も確保できるし、施設内にはトイレも数か所ある。
幸い夕食は摂ったあとなので、最悪朝まで過ごすことになった場合は
水分とトイレ、これさえ解決すればどうということはない。
ネットカフェの並びの壁に、ちょうど腰かけられる高さのアーチポールがあったので
荷物を足元に下ろしそこにもたれて過ごす。
と、気が付くと疲れもあってかウトウトして、意外と寝れる。
ここなら最悪このまま朝まででも大丈夫かな、と思う。
22時を回った頃に、警備員さんの巡回で起こされる。
曰く「このビルは23時で閉館する」とのこと。
ネットカフェの中に泊っている人は24時間居られるが
その前の通路はあくまでネットカフェではなくビルのものなので
そういわれてしまえば従うしかない。
ということで、ここで夜を乗り越える事は諦め再度移動開始。
知人、友人から宿などの情報が届いているが
どうにかなりそうなものはなかった。
カラオケという案もあり、確かに足が伸ばせて横になれそう
ということで当たってみるが、フリータイムは満室で
30分毎深夜料金のかかる超割高プランか、それであったとしても
部屋が無いとなるか、混乱は続く。
結局しばらく夜の街をさまよったが、宿と呼べるようなところは無い。
博多駅前には野宿を決めた人たちが地面に座り込んでいた。
駅構内も床に座る、寝転ぶ人が増えて居た。

幸い、駅構内のコインロッカーはまだまだ空きがあったので
さすがにもう機材バッグは預け、望遠レンズを抜いたレンズケースを
最低限の持ち回り品のバッグ代わりにもって、いよいよ野宿を決める。
とにかく機材が無くなることで身軽になったのは大きい。
そしてもう宿泊場所が無いというなら、寝やすい床を探すくらいの話で
そうと決まれば、これ以上探し回らなくても良いので話は早い。
ということで博多駅前の商業施設の軒下に陣取る。
幸いなことに季節の割に暑さはそれほどひどくは無かったし
むしろ夜風が涼しくて気持ちいいくらいだった。
何度も言うように雨もすさまじいというわけでもない。
いざ心を決めれば、ここは快適だった。
床は濡れておらず居心地は悪くない、駅前なので多少の騒々しさはあるが
0時ごろにはこの照明も落ちたので薄暗く寝やすい。
ということで床に横になって数時間。
一瞬熟睡したり、ウトウトしつつ目覚めたりを繰り返すも
基本的には問題なく寝れている。断続的とはいえ数時間眠れた。
こうして波乱の8/10は幕を閉じた。
・8/11 脱出
AM4時、起床。かたい地面で寝た割には別段身体がバキバキといった事も無い。
とりあえず状況把握と最新の情報のために駅構内に。
うずくまって眠る人多数、咳込む音も聞こえるため
駅構内での宿泊はまた違った不安があったかも、と思うと
開けた場所で人口密度の薄い風通しの良い環境下で一晩過ごしたのは間違ってなかったかと

駅ではまず、無料でお茶を配布してくださっている方が
(JRの方か、駅内のコンビニの方か判別できず申し訳ない)
ちょうど飲み物が切れかけていたので1本頂く。
そして徐々に情報が出ている。
が、やはり運転再開は遠いようで、始発からまだ運休は続く、と。
この時点で私の懸念は以下の3つ
・当初の予定だった今日の撮影は?
・PC等を置きっぱなしで今朝10時にチェックアウト予定のホテルは?
・そもそも今日神戸に帰れる?
まず、宿には昨晩の時点で状況を伝える連絡を入れていたが
今朝の状況を見て再度電話。
宿にいつ辿り着けるか分からないので、チェックアウト時刻を過ぎるかもしれない。
宿の返答
状況が状況ですので仮にチェックアウト時刻を過ぎても延長料金等は頂きませんので
とにかく身の安全を確保し、戻ってこれた際にはフロントでこの事をお伝えください
ありがたい。
続いて今日本来なら撮影する予定だった件
こちらはこういった状況で一晩を過ごし、宿に戻れていない。
予備バッテリーやメディアは常に多めに持っているので
今日このまま撮影することは不可ではないが、どこまでできるかは分からない
相手方の返答
そもそも今日のスケジュール自体がバラシになるかもしれないので
気にせず、今日は無事に戻れるようにすることを最重視してくれ、とのこと。
ありがたい。
各地、連絡が付いたことで優先順位を決めて行動計画が練りやすくなる。
帰るにしても宿の荷物は回収せねばならないので
まず状況確認を再度入れつつ計画。
新幹線は博多から九州内部各地に向かうものは全て運休
ただし、九州から出るための小倉方面から山陽、東海の新幹線は
復旧して既に動いている。

お、神戸まで帰るのは普通にいけそう。
(ただしこの時点では山口、広島周辺に雨雲が発達していて
ここが降り始めるとそこで止まる恐れが、という情報も常にあった)
宿まで行く在来線は全て運休中で、下手したら今日中の復旧は無理ではないかという話も。
ということで少し駅で情報収集や
連絡に時間を使った後で、昨夜検討したプランの1つ
・博多→小倉まで新幹線 小倉からバスで1時間かけて宿へ
を採用し、ロッカーから機材を回収し移動開始、8:30頃。
ちなみに駅はかなり混乱していて、新幹線の券売機や
みどりの窓口は駅からはみ出すほどの長蛇の列
幸い、私はスマートEXを導入しているので
スマホで自由席の券を買えば、タッチするだけで行ける。
かくして私は計画通りに宿に9:50頃に到着した。
なおこの移動の際の小倉駅はかなり雨が降っていて
結局私の今回の大雨直撃の福岡の中で
一番濡れたのはこの小倉での事だった。
宿の人は連絡していたこともあり
チェックアウト時刻は気にせず、しばらく部屋を使ってもらっていい
と言って下さり、感謝するも
今度は宿から小倉に戻るバスが1時間に1本しかなく
時間が無かったので、着替えと最低限の充電にとどめて直ぐに出発。
今後の状況が読めない中で
再度博多に戻り撮影することは現実的ではなかったので
そのまま小倉から関西方面の新幹線に乗る。
確かに山口~広島間でけっこうな悪天候はあったが
幸い止まることは無く数分遅れで無事に目的駅に到着。
かくして今回の旅は終わった。
撮影の事にはほぼ触れなかったが
カメラマンがこういった状況になると、という一例として記録を残しておく。
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