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  • 執筆者の写真Giro

それでも私は来世に期待する

いつもは写真や機材の話ばかりだけれど

今日は少し真面目に私の話をしようと思う。


今日は大阪日本橋にSAKITANさんの 個展

リアルラブドール展「真新しき愛の影」 最終日に行ってきた。


展示にはSAKITANさんの写真と、ラブドールの御本人(?)さんもおられた。

撮影OKだったので。定常光のライティング機材があり、室内ながら撮りやすかった。



細かい話は割愛するが

「真新しき愛の影」 という言葉が妙に腑に落ちた。


ラブドールというものにどういったイメージがあるか

それに関しては人それぞれだろうし、こうあらねばならない、というものでもない。


ただ、展示されていた写真からはSAKITANさんの愛を感じたし

それはラブドールであろうがドールであろうが、家族であろうが、恋人であろうが

同じことではないだろうか。




ところで、私は展示を観に行くのが好きだが、苦手だ。


作者さんが目の前にいるような時、自分は話しかけることはできない場合が多い。

でも世の中には話しかけたりサインをもらったり交流したりという人が多い。




実は今日、あるイベントが同じ大阪であった。

以前からずっと行きたいと思いながら、一度も行けていないイベントだ。


なぜ行けないのかといえば、そのイベントの世界観と私が

全く持って異なるからで、要するに私は異物でしかないからだ。


自分が周りから浮くとかはどうでもいいが

そのせいで、せっかく楽しみにイベントに来ていた方々

準備していた運営さんや参加者さんたちが、空気感が壊れて没入感を奪われるとしたら

そんなに迷惑なことはない。


そう、少なくともそのイベントにおいては私の存在は「迷惑」でしかない。

だから近づかないようにしている。



実はこういうことは他にもあって

あるアーティストのライブがすぐ近くでやる、という時に

でも私が行ったら迷惑じゃないか、人気があるからきっと他にも見たい方がいるのに

私が行ったせいで満員で観れない人が出てきたら申し訳なさすぎる、

そう考えて結局断念した。



こういう時、いつだってそうだが

行かなかったら行かなかったで、非常に落ち込んで自己嫌悪する。


が、行ったら行ったで、結局誰かの迷惑だったんじゃないか、とか

他の人は話しかけたりしていたのに自分はできなかった、とか

結局、私は劣等感と自己嫌悪に包まれる。



普通のお店に行って、気になる商品があった時でも

これってどうなんだろう、と気になる点があった時に

私は店員さんに質問ができない。


そして結局あきらめるか、ダメ元で確認せずに買うかしかない。



これは生まれ持った、あるいは育ってきた過程で見に付いた性分である。



そして、こうした性分でも、人と交流していける人もいる。

それは即ち、人を引き付ける魅力があるということだ。

相手の方から交流したくなる、してしまう、それだけのパワーがある。



それは例えば、何かの才能だったり、容姿だったりするかもしれないし

あるいは経済力とか知力といったものかもしれない。



残念ながら、私には何もない。


だから、人を引き付けることができない。




例えば写真をSNSに上げる、という行為は誰でもするが

ある人が上げた写真は100の反応があるとする。

100人の人が、その写真を見て、何らかの反応がしたくなったということだ。


それはその写真自体が素晴らしかったのかもしれないし

その写真に添えられた言葉や状況がおもしろかったのかもしれない。

あるいはその写真を上げた人自身の魅力というのもあるだろう。

この人がアップしたなら、という加点が大きいケースは少なくない。



私は度々SNSやこのブログにも写真を上げるが

1件の反応が来れば歓喜しなければならない、というレベルで

要するにほとんどが無反応だ。


世界中の人が見られる条件であるにもかかわらず

ただの一人も、その写真自体にも、文にも、私自身にも

何の魅力も感じなかった、という事実に他ならない。



残念ながら、ここまでの人生で積み重ねてきたものが

こういった状況であるのなら、この先も大きな変化はないだろう。



私に技術があれば、才能があれば、何らかの魅力があれば

きっと私は多くのイベントや展示を気後れせずにもっと観にいけただろう。


参加者に声かけ、出展者と話をし、そこでできた繋がりを基に

また新たな楽しさを見つけ、人生を楽しめただろう。

しかし、そうではない。これは動かしがたい事実だ。




だが、私は来世に期待している。

別に私は特定の宗教に熱心なわけでも、輪廻転生論者でもないが

もし来世というのがあるなら、あるいはパラレルワールドのようなものがあるなら

そっちではきっと叶うこともあるだろう、と思うしかない。



きっと私は、来世では

今日諦めたイベントに行き、素晴らしい作品を堂々と称賛し

素敵な方々とお話をして、楽しい時間を過ごせるのだ。


現世で、日々これだけ自己嫌悪に陥っているからこそ、

ずっと来世に期待している。



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