Nikkor Zの新作、85mm f/1.8Sを購入した。
当初は全く買う気はなかったのだが疲れていたので仕方ない。
また、ありがたいことにかなり気合の入るご依頼を頂いたので
グッと気を引き締める意味でも。なお、このレンズをその撮影で使うかは分からない。
実は私は85mmはほとんど使わない。
ポートレートでは超定番と言われる画角だが
私の場合は105mmと58mmが多いので、85mmはその間
悪く言えば中途半端な画角に感じてしまうからだ。
さて、Zの単焦点といえば既に50mm 35mmが出ていてそこに85mmの追加となる。
単焦点と言えば、というような分かりやすいラインナップから揃えているらしい。
スマートフォンで逆光適当撮り、ノイズすごい
Zレンズはマウント口径が大きいこともあり、この85mmも
他の単焦点同様、レンズ鏡筒までほとんど大きさの変わらない
いわゆる寸胴な体型をしたレンズである。
スマートだともいえるし、面白みに欠けるともいえる。
10万円弱くらいの価格からすると、ややチープに感じる人もいるようだが
私は極端に尖った性格のレンズでもなければ、外観はこんなもので十分かなと。
さて、大事なのは描写である。
Zマウントを活かしたf1.8ながら高性能なレンズが多い
Z単焦点レンズ群のニューカマー、期待しながら家の周りで撮影してみたが…
家の前の鉢植えに咲いていた草花を開放f1.8で。
細かい実?つぼみ?のような部分を鮮明写し取る解像力は素晴らしい。
立体的な植物もピント位置とそれ以外のぼけ部分との違いから立体感が出やすい。
が、左上の茎の部分のボケが二線ボケ傾向で、ちょっと汚い。
恐らく厳密には二線ボケというより、茎が重なっているいじわるな状況での撮影なので
こうならないように撮ること自体は可能だが、正直これは個人的に減点。
もちろん本気でしっかり撮る時は色々と気を付けるのでこうはならないだろうが
スナップ的にほいほい撮ってる時にこういうぼけ描写になってしまうのは残念。
庭にある桜の木の葉をf5.6まで絞って。
解像感は素晴らしく、光を透過した葉の葉脈も美しく描写されている。
絞り羽根は9枚で円形なので絞れば玉ボケもそれなりに丸く綺麗。
もっと開けたのと撮り比べればよかったが、とりあえず初回テストということで。
更に庭の草花を、f4.5
テストしてみた結果、ピント部の描写は全く問題ない。
解像力は高く、ボケは堅いわけではないので確かにポートレートでも使いやすそう。
カメラ(設定)との組み合わせもあるが、色乗りもけっこう好みである。
が、こちらでも部分によってはややボケが汚い。
これも意地悪な条件であることは認めるので、イコールこのレンズの短所とは言わないが
じゃあ条件が悪い環境では使えないレンズなの?という気持ちがわいてしまう。
ポートレートならもっと背景の整理には気を使うので
恐らくこういったことは無いと思うが、85mm1本でふらっとお散歩スナップに
という時にはこういうことに気を使わなければならないのかなーという印象。
・総括
ニコンのZマウントは、既存の開放絞り値によるレンズの格、のようなイメージを
完全に脱却した正に新マウントならではのレンズが多い。
周辺画質が高いとか収差が抑えられているとか、f1.8の単焦点なんて
入門の撒き餌レンズでしょ?という先入観を打破する性能で
その分値段も少しお高め。だが性能を考えれば決して高くはない。
今回の85mmもピント部をいかに浮かび上がらせるか、という部分は
実にポートレートレンズらしい特性もあり、画質周辺までみても
これといった粗は目立たない優等生レンズである。
が、条件によってボケが汚く見えてしまうのは大きく残念な点で
特に面白味はないけど全体的に優秀な優等生が、影でくだらない悪事をしてた
みたいな感想を持ってしまった。
ニコンとしては85mmはf1.2を出すというロードマップがあるので
それが出るまでの間は持っていても良いかなと思うが
個人的にはZマウントレンズを揃えていくにあたっては
この85mmの優先度はそこまで高くなくて良い気がする。
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