ポートレートテストしてきた話
- Giro

- 3 時間前
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カメラマンは、自分発信で何かを撮るというより
依頼に合わせて依頼者の希望を叶えた撮影をする役割である
という話は何度もしてきた。
いわゆる写真家とカメラマンの違いである。
カメラ、写真業界の何でも屋みたいなものだが
当然すべての依頼を自信満々で引き受けられるわけではない。
得意な分野、経験が多い分野もあれば
正直それはほとんど撮ったことないな、というケースもある。
あまりにも無理だな、これはちょっと厳しいなという場合は
率直にそう言うし、断る場合もある。
もちろん仕事としては引き受けた方が良い。
仕事を受ければ受けるだけ収入になるし
仕事を断り続けていれば収入が途絶えてご飯も食べられなくなる。
だが、無責任に引き受けて依頼者の期待を裏切ることはしたくないし
そうなったら、カメラマンという存在の意義も無くなると思う。
そんな私が、この月末に、普段はあまり撮らないなというジャンルの撮影を受けた。
大得意分野ではないが、お話を聞いていて、それなら撮れそうだと判断した。
ポートレート系でちょっとイメージしづらい相反する2パターンを
同日に撮り切るというもので、転換や切り替え、持ち込み機材をどうするか
などなど、テストしたいことが多かったので、先日テスト撮影をしてきた。
そう、依頼を受けたからには準備をしっかりしなければならない。
ポートレートなので被写体をどうすべきか迷っていたが
テスト撮影にプロのモデルさんに頼むのもなんだし、プロ同士だと費用の話も色々とね。
ということで悩んでいたところ、そういえば以前
カメラにも被写体側にも興味あると言っていたなぁ、とある友人を思い出し
気を使わなくても良い間柄なのもありお願いしてみたところ快諾してもらえた。
ありがたいことである。感謝。

成人式の前撮り以外でちゃんと撮ってもらったことはない、とのことだが
こちらとしても今回は完全にテスト撮影である旨を伝え
私服で気楽に来てもらえれば、ということでテスト撮影に協力してもらった。
さて、今回テストしたいことは色々あるが、まず1つには
荷物量のテスト
ポートレートとなるとライティング関連が悩ましい。
全てを持って行って何時間でも試せればいいが、もちろんそうはいかない。
前回も書いた新バッグ、ローラーダービーの容量含めて
ある程度絞りつつ持って行って、要るもの要らないもの、あったらよかったなと思ったもの
などを考えて、本番の荷物を絞り込んでいく。

実際に入れた機材はこんな感じ
・カメラ Z9 x1
(通常、仕事の撮影では万が一のバックアップも込みで2台体制だがテストなので1台で)
・レンズ
・Z 24-70mm f2.8Ⅱ
・Z 50mm f1.2
・Z 135mm f1.8 plena
スタジオポートレートは撮り方、仕上げの目的で使用レンズも設定も全く異なる。
屋外ポートレートだと定番の大口径で開放でぼかしまくりみたいなのがウケるのはわかるが、ライト組んでバッシバシ光らせるなら思いっきり絞って撮ることも少なくない。
85mmが無いのが意外に思われるかもしれないが、荷物量的に本数に限りがあると
無難に24-70を持って行くので、そこで賄いきれない分を105mmや135mmで補填。
20mmとかもあれば、というのはあるが、ポートレートで広角はよほど狙いが無いとね。
・ライト
Profoto B10&A1X(+コマンダー)
本番は一灯で行こうかなという話にはなっているが、やはり2灯要る局面は少なくない。
ナチュラルライティングだと1灯+レフで良いかなとも思うので
あとは打ち合わせで詰めたいところ。
これだけ詰めてもまだ余裕はたっぷりなので各種予備バッテリーを入れて、スピゴットなどの変換金具を隙間に入れ、最終的にはレフホルダーを畳んで上にドーンと置いた。
クッション材が多く、中で動かなければ無茶な詰込みをしても機材ダメージは無さそう。
これ以外の場所はノートPCや書類を入れたりしている。
が、肝心のシェーピングツールが立体的すぎてカメラバッグ内には収まらないので、結局これにプラスして普通のショルダーバッグが必要になった。
ソフトボックス系のを3つ、レフ板1つ
そして安いライトスタンド1つにパーマセルテープなどなど。
詰め込むとこっちがかなりかさばって運搬はちょっとしづらい。
スタジオ備え付け、あるいはレンタルできるものを活用できれば荷物量は減らせるが、ライティングツールを妥協して使うと何の意味も無いので、借りるとしたら本格的なものになってかなり費用が掛かる。
ということでこれをベースに要らないものは減らし、要るものは足して
と見定めていくテストになる。
・背景と衣装とのテスト
今回撮影でテストしておきたかったことは
ざっくりいえば、背景と衣装の組み合わせのテストだ。
本番の依頼では黒系と白系の相反する背景での撮影だが
仮に衣装も黒系(暗い)と白系(明るい)があると
黒黒・黒白・白黒・白白
の4つの組み合わせがあることになるが、写真を撮る人なら
誰でも分かる事だが、これらではアプローチの仕方が全く異なる。
単純に同系色で背景と同化しそうな時なら
そんな背景を選ばない、そんな衣装は選ばない、という事もあるだろうが
依頼者のイメージを最優先したいので、むしろそういう時に
どう映えさせるか、依頼者のイメージはどういうものか、を知る意味でも
テストしてそれを観てもらう必要がある。
また逆に真逆の背景との組み合わせは被写体が分かりやすく浮き出るが
それがいいのか悪いのか、こちらも依頼者のイメージに近づきたい。
というわけで、被写体協力して頂いた友人には
一応私服で良いので明るい服と黒っぽい服を2パターン持ってきてもらった。
で、テスト撮影である。
顔の写った写真も多数撮ってはいるが、別にテスト撮影を
無理して晒す必要もないので顔の隠れたものだけにする。
白ホリに黒衣装だと、当たり前だが被写体は分かりやすく強調される。

24-70を望遠端70mmでf8まで絞りキーライトにB10を左斜め前から
フィルライトに右側にA1Xとレフを設置して撮影。
証明写真のように均等にしたいわけではなかったので
服の左側(向かって右)には陰も出ている。
本番でも衣装の見せ方などでシェードは付けていくと思う。
白黒の組み合わせだとライトの有無関係なく輪郭はもちろんはっきり出るので
リムライトは無くても良いかな。後は演出的にどうするか。
こんな感じで色々と試し撮りしていった。
といってもあれこれ載せても仕方ないのでちょっと違ったものを。
実はこの友人、編み物で花をつくるのが得意、というかもうプロ級。

ということでご自身の作品を手にした写真も。
これは135mm plenaで撮っている。
決して広くはない簡易スタジオなのだが、広角で変に歪むよりは
中望遠くらいで撮るのがポートレートではやはり良い。
お花の立体感を出す意味も込めてあえて開放で撮ったのでかなりボケが強い。
plenaのボケは本当に綺麗なのでこういう使い方も良いが
ボケが固かったり綺麗ではなかったりすると、こういう使い方はあまりお勧めはできない。
同じレンズ、同じ系統でも大きく変えるとこうなる。
f7.1まで絞っているが、さっきが顔の前にお花を置いていたのに対して
こちらは腕を前に突き出している。

それによって、お花全体にはピントが来ているが顔のボケ感は同じくらいになっている。
なお、ライティングをあまり調整していないので
フィルライト側がちょっと暗くなっていて、せっかくのお花の華やかさが陰っている。
なので、ここはもう少し光量を上げるべきだった。
(もちろん現像でいじることはできるが)
さて、そんなわけで色々と試してみたわけだが
持って行った割に思ったより使わないなという機材もあり、良いテストができた。
後は依頼者と相談しながら、本番までにもう少し持って行く機材など詰めていきたい。



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