Z9はがっかりなのか
- Giro

- 18 時間前
- 読了時間: 8分
ブログ、HPは書きっぱなしで別段アクセス数がどうとか
調べたり気にしたりはしていないのだが
たまたま契約更新のチェックなどをしていると
当ブログへのアクセス、検索ワードの表示が目に入った。
それによると「Z9 がっかり」で検索して
当方に来られた方がおられるらしい。
対話方式ではないので、その方の真意は分からないが
Z9はがっかりなのか、自分なりに考えてみたい。
・Z9でガッカリした部分は?
いきなり本題から行く。
Z9を購入し、実際に届いて手にしたのは2021年の12/24、らしい。
撮影データを掘り起こしてチェックしたので間違いないはず。

大前提として、Z9はミラーレス機で初のフラッグシップである。
当時はまだデジタル一眼レフのD6もバリバリ存在感を放っていて
私はD5、D6と使って来て、その素晴らしさを十分知っている。
ミラーレスが徐々に世の中に浸透していた頃とは言え
まだまだ一眼レフ、という意見、考え方はまだまだ多かったころだと思う。
私はZ9が物理シャッターレスだとか、ニコンがとがりまくったことをやって
ミラーレスフラッグシップを出す、という時点で買うのは決めていて
予約購入したわけだが、正直に言えば不満はあった。
まず、フラッグシップなのに高画素すぎる。
フラッグシップは低画素であるべき、だとは言わないが
それまでのD5、D6が2,000万画素に抑えていて
4,000万画素級といえばD850が、これまた素晴らしいカメラとして存在していた。
D850のような高画素なミラーレスと言えばZ7が既にある。
それなのに、なぜ同じようなセンサー特性のものをわざわざZ9に積むのか
正直納得がいかなかった。
なぜフラッグシップ機が画素数を抑えたものが多いか、これはもちろん
メーカーにそれぞれ意図があるだろうが、使う側としては明確に答えがある。
連写性と高感度ノイズ耐性だ。
画素数が大きくなれば扱うデータが大きくなるので、当然バッファメモリを食うので
連写は不利になる。
とはいえ、Z9は物理シャッターを排除し
そしてセンサーの読み出し速度をかなり異次元なレベルまで上げたことで
この点を打破している(バッファーメモリも十分で使用メディアの速度も素晴らしい)
ただし高画素であるということは、センサーサイズが同じならば
画素ピッチが狭いということなので、どうしたって一画素当たりの受光量が減る。
ISOを上げた時にその差が出やすく、高感度でのノイズの差はどうしても出てしまう。
要するに、スポーツでは使いにくいのだ。
私は屋内スポーツのバレーボールを撮ることもあるので
暗い室内で高速で動き回る選手やボールを撮るとなると、当然ISOは上げざるを得ない。
距離があれば焦点距離の面でレンズの選択も限られてきて
開放f2.8が限界となれば、なおさらのこと。
だからZ9を使いだして真っ先に感じたことは「画質が落ちた」ということだ。
当たり前だが、ベース感度のISO64で使っている時はそんなことは感じない。
ただしISO3200とかになってくるとD5、D6では躊躇なく使えたのに
Z9では現像の際に苦労しながら調整するという感じになった。
もちろん画素数が違うのだから、トリミング耐性が強かったり
同じ形、サイズに仕上げれば圧縮されて極端にノイズが目立つということはない。
それでも等倍チェックしてなんぼという人間には
せっかく良い写真撮ってきたのに、なんかノイズが酷いなーと毎回感じるのは
かなり「がっかり」ポイントだった。
・ミラーレスのAFはだめ?
こんなことを書いていると、このブログは、あるいは筆者は
2020年くらいの人なのだろうか、と思われるかもしれないが
あくまでZ9を手にした当時の話なのでご容赦願いたい。
Z9のガッカリ話としては、とにかく最初はAFがダメだった。
動かないものを撮るとか、被写体と自由に距離や角度を使いながら
撮れる状況で、極端にAFが迷いまくって話にならない
みたいなことはさすがになかった。
だが、スポーツや野生動物を瞬間で撮る際には
「いやそっちにいくんかい!」とか
「どこで迷ってるんだ」とAFに翻弄されることが多かった。
なにせそれまで使っていたD5、D6がもう自分の脳や指と
カメラが一体化しているのだろうか、と思うほど
こちらの思うところにピタッピタッと吸いつくように来ていたのだ。
おいおい同じニコンのフラッグシップ名乗っててこれかよ
と正直当初は言いたくなった。
が、そもそもニコンは2018年秋のファンミーティングで
ついにミラーレスへの参入(ニコン1のことは忘れて)を果たし
私自身はZ6を出てすぐ位に購入していたので、ミラーレスのAFが
というのとはちょっと違う。
Z6でダメなところが、Z9になったら劇的に改善されていて
さすがフラッグシップ、これならD6から安心して乗り換えられるね!
とは思えなった、という話だ。
実際、Z9が出てから1~2年は、使っていると
他のカメラマンが半笑いで「ミラーレスで撮れます?w」と聞かれたこともある。
それでも私はZ9をスポーツの現場でも持って行って使っていた。
なぜか。
実はD5→D6に乗り換えた当初も、これほどではないが
思ったところに来ない、みたいなストレスを感じることがあったのだ。
これは「新型になってAF性能が落ちた」わけではない。
AF設定が増えて、自分がまだ完全に把握できていない。
AFの癖みたいなものをまだ自分が掴めていない。
と、いうことなのだ。
だからZ9も使い込めば、この違和感はきっと減少するはず、そう思ったのだ。
それでも当初は、高感度ノイズとAFの癖に四苦八苦したのは今でも覚えているし
フラッグシップを買ったんだから、と自分に言い聞かせて無理やり納得させていたが
正直心のどこかでは「がっかり」していたのだろうとも思う。
・人もファームも進化する
では、Z9は出た当初の「がっかり」感のままだったか、といえばそんなこともない。
21年12月に一台目を手にした私は、そのままD6やZ6とも併用していたが
結局23年5月には二台目を購入することになり、Z9が2台、他にサブという構成になった。
なぜか。
色々と理由はあるが、ニコンがZ9を進化させ続けたから、というのが大きい。
ご存知の方も多いだろうが、Z9は信じられないくらいファームアップを繰り返している。
どうもZ9を出した当初は、ハードウェア的には過剰なくらいの状態で出しておいて
その性能のいくらかしか使えていない、という状態だったらしい。
それをファームアップで、昨日も増えれば精度も上がる、みたいなことを繰り返した。
結果的に、AFの精度や速度もあがったし、動画機能などはもう
出た当初からすごかったのにここまで行くかというところまで行っている。
そして、これは本当に自分自身の選択が間違っていなかったなと思ったのだが
当初、がっかりしていた部分も、ファームアップだけでなく
自分自身の使い方でかなりなじんでくるようになったのだ。
例えばAFはAF-Cの中でもいくつかある設定を、この状況ならどれが一番
自分の思うように動いてくれるか、というのを経験で掴んできた。
これは何十万ショット、100万ショット以上という中で掴んだもので
そういう意味では、それだけ撮りまくっても壊れない
(物理シャッターが無く、ミラーボックス周りの耐久を気にしなくてよい)
Z9だったからこそ、というのが大きい。
Z9の進化に合わせて、自分自身のZ9の使い方をも進化できたのだ。
確か2台目を買って少しした頃だったろうか。
たまたま出会ったカメラマンさんに
「いやスポーツなら今でもD6でしょ、Z9は厳しいですよ」と言われた。
1台目を手にした当初なら「そうなんですよー」と言っていたかもしれないが
その時の私は「いや、設定と使い方次第で差はいくらでも埋まりますよ」と
自信をもって応えていた。
スポーツの現場におけるAFという一点だけで
D6をZ9が完全に上回っている、とは未だに思わない。
だがその差は縮まったし、それ以外のメリットがかなり大きいので
総合的に判断するとZ9でよかった、と私は思う。
(高感度ノイズは未だに条件によっては悩ましいので、Z9Ⅱが6,000万画素とかで出てきたら私は泣くかもしれない笑)
・動画って大事
また、Z9の機能で動画が挙げられることも少なくないが
私もZ6を手にした当初、ミラーレスって動画も使いやすいね、くらいの
ちょっとしたお遊び感覚で使い始めた。
が、高性能レンズと4Kの組み合わせ(Z9ならh.265でも4K120pを早々と達成していた)
の映像の世界は、ちょっとすごい。
映像作品を作る方なら、log、RAWで撮って…とまあ色々あるだろうが
そんなところまで行かなくても十分違いが分かる。
Z6で遊んでいたおかげでZ9でも自然と動画を撮る機会も増え
その結果、今では仕事で「動画でも抑えておいて」と言われる依頼に
「はいよ!」とあっさり請け負えるようになった。
これもZ9のおかげだといえる。
ま、そんなわけで、カメラの使い方は人それぞれなので
これらすべてどうでもいいという人からすれば
Z9はがっかりカメラなのかもしれない。
だが、私にとっては仕事の道具としてこの上なく活躍してくれている。



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