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  • 執筆者の写真Giro

Petzvalと妖怪たち

7月末にロモグラフィー(Lomography)が なんとフルサイズミラーレス用の新型レンズとして Petzval 55 mm f:1.7 MKIIを出した。


Petzvalといえば、ぐるぐるボケが有名で 数年前に復刻型のレンズをクラウドファンディングして話題となっていた。 非常におもしろく興味深かったが、当時お金が無く また、絞りが「プレートを入れ替える」というギミックで 実用性の点でやや私の使い方には合わなさそうだったこともあり見送った。


しかしそのPetzvalが新型で しかもMFでピントが合わせやすいミラーレス用ニコンZマウントでも出るとのことで 気が付くと思わずポチっていたのだった。


化粧箱も洒落ている。 BOKEH CONTROLの文字の通り、このレンズにはボケコントロールリングが付いている。

なんといってもぐるぐるボケが特徴ではあるが、いつでもぐるぐるされると使い道が減る。

こういう「操作する楽しみ」というのがあるのはオールド風レンズの良さでもある。


前から見てみると、被せ式のレンズキャップが良い感じである。

ちなみにもう少し待つと真鍮モデルが出て、さらに味のある質感のレンズが手に入る。 が、むしろこういう遊び心のあるレンズはチープさを楽しむのも良い。

(ちなみにこちらのモデルも決してチープではない)


私の手持ちのMFレンズは、最近はZ6専用となっているが その全てがFマウント用レンズをアダプターを介して装着していた。 しかしこのレンズはZマウント設計なのでそのままぴたりと着用できる。

やはり間にアダプターが入っているのより、はるかに精悍で見栄えも良い。

無駄に長くなるのも抑えられて携行性も良い。 なお、この写真自体はD5にNIKKOR 28mm f/1.4E EDの組み合わせ撮影している。




さて、そんなPetzvalだが、家の周りで試写したなり 先日いきなり遠出に付き合ってもらうことにした。


兵庫県西部、福崎町である。

姫路城で有名な姫路のちょっと北と思ってもらえば分かりやすい。


ちなみにこの夏、全国2位の暑さに輝いた日もあったほどの暑い街である。 ご覧のようにこの日は雲が多かったので助かったが、それでも相当な暑さであった。



さて、この福崎町、いったい何が有名かといえば 日本民俗学の祖とも言われる柳田國男の出生の地なのだ。


遠野物語などの著者としても有名で 言うなれば日本の怪異、妖怪話の類の大先生である。

ということで、町は今、妖怪を使っての町おこしに力を入れている。


中でも河童の河太郎(ガタロウ)と河次郎(ガジロウ)兄弟は代表格である

辻川山公園にある河童の河太郎の像

こんな風に、クオリティの高い妖怪像が幾つもある辻川山公園。

柳田國男の生家もあり、ちょっとした森の小道を歩けば

木陰の中を風が通り抜け、暑すぎる街中に比べ、非常に快適であった。


目玉は、時間になると池から出てくる河次郎とその子ども。

池から顔を出す河童の河次郎たち Petzvalらしく端は解像していない

1時間に4回出てくる。

出たと思ったらあっという間に池に引っ込んでしまうが、1回あたり3度顔を出すため 例えば1度目は目で、2度目は写真、3度目は動画、と余裕をもって楽しめる。 ちなみにこの池のすぐ傍にいる警備員のおじさんが、はいもうすぐ出てくるよーと 丁寧に教えてくれるが、一応妖怪なのでもうちょっとサプライズ感も欲しかった。



また、ここからほんの少し坂を上ったところ(見えている範囲)では 頭上数mのところにある小屋から現れる天狗も見られる。

手には名産品の「もちむぎどら焼き」を持っている

小屋はしっかりとした木造で味がある造りで非常に良い。

天狗は滑車むき出しで滑り出てくるが、造形自体はかなりしっかりしていて 周囲の景色(森林)とも相まって、雰囲気と迫力がある。


福崎町(の妖怪町おこし)の全体的な流れとして

決して怖がらせよう、驚かせよう、という作りではないのもよかった。


見た目は異形でも、どこか可愛らしさやユーモアを感じ親しみやすい。

この天狗も出てくるときに少しだけ声が流れるのだが、その内容もおもしろかった。



すぐ隣の森(というほど大きくはないが)に移動すると 柳田國男の生家や鈴の森神社がある。 陽が射してくると一気に体温が上がるのが分かるような恐ろしい暑さに。


そんな中でも木陰は涼しい。

鈴の森神社

Petzvalらしいぐるぐるボケだが、一応最新のレンズということもあり 解像部は思った以上にシャープ。またZ6の設定もややクッキリ目にしていることもあり 発色も鮮やかで奇妙なアンバランスさのある描写に。



福崎町の町のあちこちに、妖怪ベンチなるものが設置されており

少し洒落の効いた妖怪たちが飾られている。

思わず全部巡りたくなってしまうが、真夏に歩き回るのは相当体力を使うので注意。



これぞPetzvalというぐるぐるボケ

めまいのするような暑さの中で、Petzvalをメインに

この日は朝から夕方まで、あちこちと福崎町を堪能してきた。 (車で行って正解だった)


ポケモンGOのようにARを使って妖怪を捕まえる企画もやっているらしいが

残念ながら今はiOS版しかないようでAndroidユーザーの私はできなかった。


またもう少し季節が落ち着いたら ipod touchでも買って、のんびり遊びに行くのもいいかもしれない。


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