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Z 14-30mm f/4 S

レンズには、焦点距離(画角)で大別すると ・広角 ・標準 ・望遠    の3種類がある。


大雑把に言えば50mmレンズが標準、それより長い85mmくらいからが望遠 そしてそれより短い35mmらが広角に大別される。


なお85mmより長いレンズはもっとあるので、それら全てを望遠とまとめるのは 若干無理があるため、中望遠・望遠・超望遠とより細かく分類する方法もある。

広角も同様に準広角・広角などと細かく分類する場合もある。



標準という呼び名から50mm=人間の目で見た感じ、と捉えている人もいるが

これは間違いで(というとやや語弊があるが)そもそも人間の視界というのは

グッと集中してテレビを見ている時はテレビ画面以外の部分はあまり認識していないし

ぼーっとなんとなく見ている時はもっと広い範囲が見えるというように

状況に応じて認識範囲が変わるのだ。


なので呼び名自体はあまり意識せずに、カメラの場合は あれこれ使ってみて、どれくらいの範囲がどんな風に写るのか レンズの特性を知ることが大切だろう。



さて、実は私は広角レンズはあまり得意ではない。


私が本格的にカメラを始めた時のレンズが35mm f/1.4の単焦点だったこともあり

馴染みが無いわけではないのだが、この(準)広角レンズは

標準レンズよりも少し広い範囲が写る。


私は、例えばドールを撮る時に、背景をしっかりセッティングしたり 撮影ブースがあったりするわけではなく、着の身着のまま思いつくまま

しかも滅多に掃除をしない部屋で撮ることが多いので 広い範囲が写るレンズを使うと、山積みになった段ボールや ごちゃごちゃとした配線が写り込んでしまうのだ。


こういう時は焦点距離が長めの(画角が狭い)レンズ

あるいは寄れるレンズを使ってドールの半身のみ、表情のみ、と切り取ってしまえば

部屋を掃除することも、背景を準備する必要もなくなる、

というのが私の感覚で、なんともいい加減な人間なのだ。




しかしそんな私がなぜか広角ズームレンズを買ってしまった。 Z 14-30mm f/4 Sである。上のアルクレストはおまけ。



ミラーレスのニコンZマウント用の広角ズームレンズで 14mmは私の人生において未知の領域といってよい(友人の魚眼を借りたことはあるが)


評判が良いことは知っていたが、広角レンズって難しいしなーと見送ってきたが

これからの撮影で使うこともある、と思い立ち、練習の意味も込めて手に入れた。



というわけで早速家の周りをグルっと一周しながらテスト。




さて、広角レンズは広い範囲が写る、というのはもちろんその通りで

広大な風景や巨大な建造物、あるいは狭い室内での集合写真などで活躍する。


が、それだけではなく、他にも特徴がある。



いわゆる「パースが効く」のだ。


家の隣でテスト撮影したものなので、写真自体のクオリティはさておくとして

手前の草も奥のススキも、本来は一群となって同じ場所に咲いているものなのだが ススキが随分と奥側の離れたところに咲いているように見えないだろうか。


これは広角レンズの「広い範囲を写し込む」という性質が

つまりは「実際より物を小さく、しかも遠ければ遠いほどより小さく写る」ことになり

遠近感がより強調されて見えるという効果があるからだ。

これをパースペクティブ効果、つまりパースが効いていてる、と呼ぶことが多い。



これは標準以上のレンズでは、ちょっと出せない味なので

こういった使い方をすれば広角ならではの面白さを実感できる。


他にも、広角レンズには広角レンズの個性があり

例えば画面の端のものは引き延ばされたように写る、というのがある。

(パースの話とも共通要素はあるのだが)


これは使い方によっては、パース同様、遠近感が強調されたようにも見せられるが

例えば人間の顔を綺麗に撮りたいのなら注意しなければならない。

カメラ付きインターホン越しの人の顔が、真ん中から端に向かって引き延ばされたように ちょっと不気味な感じで写るのもこうした広角レンズの効果だ。


ましてや画角の端に人の横顔があるような写真になれば

より歪んだ写真になってしまうだろう。



また、例えばゴーストやフレアが出やすいというのもある。

広範囲から光を集めてくるのだから仕方ないというものなのかもしれない。




ただ今回テストした感じだと問題は感じなかった。

ニコンご自慢のナノクリスタルコートの恩恵なのか、条件的にそこまで悪くなかったのか。


なんにしても私は風景写真家さんではないので、多少ゴーストが出ても問題ない。

出ないに越したことはないので、ありがたかったが。



さて、そんなわけで年内最後にまた新たなレンズとの出会いがあった。

開放時の描写など多少気になる点はあるが、率直に良いレンズだと思う。


今後、人形写真でも活用することがあるかもしれない。

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