少し前にちらっとtwitter(X)に書いたんですが 先月9月にメモリーカードトラブルに巻き込まれ、色々と感じることがあったのでその話を。
事の発端は9月後半のある日、とある仕事で撮影中のこと。
と、その前に私が仕事で使っている機材の話。
基本的にはカメラはZ 9を2台体制で。
そして使用しているメモリーカードはProGrade Digitalが多い。
(それ以外にもSONY、SanDisc、Angelbirdなど)
ProGrade Digitalは大まかに2種類のグレードがあり(GOLDとCOBALT) 同じGOLDの中でも容量によって書き込み速度などが異なる。
これはこの手のメモリ、SSDでのあるあるで 容量が小さいものだと限界速度も低かったり あるいはどんどん書き込んで空き容量が減ってくると速度が落ちたり というのはよくある。そこで小さめの容量(128~256GB)は写真だけの撮影の時に、 512GBやCOBALTは動画の際に、という使い分けをしている。
もう少し詳しく書くと、私の運用の場合は100%写真のみの撮影ならば 同容量を2枚入れてバックアップ撮影にするか、容量を変えてRAW+JPEGにするかが多い。
動画撮影もする場合は動画は写真は1st、動画は2ndスロットという風に分ける場合が多い。
これは書き込み時の速度対応(2ndを早いものにする等)もあるが、撮影後のデータ管理もやりやすいから、という理由もある。
この日も1stは写真用に128GBか256GBを入れて、2ndには512GBやCOBALTを入れていた。
なおGOLD512GBはCOBALTほどの速さではないのだが 最低継続書き込みが800MB/s(今の型だと850MB/s)という速さで これが256GBになると300MB/sしか出ない。
8K 30p RAW動画を撮影する場合、必要速度は325MB/sなので 256GBを使用した場合、エラーが出たり処理落ちしたりする可能性が高い。 R5を使ったことはないので、正確なことは分からないが微妙なラインではあるので、フォーマットしたてで容量に余裕がある時点ではある程度は書き込めるかもしれない。 なんにしても安定動作を求めるには心もとないだろう。
(といってもSDカードでよく使われている、いわゆるビデオスピードクラスでいえば トップクラスであるV90でも最低速度が90MB/sということなのでCFeがいかに桁違いかよくわかる)
だが512GBなら最低継続書き込みで800MB/sなので十分余裕があるということになる。
実際、私も512GBは動画を中心に使うことが多かったが、今まで書き込み速度不足のエラーが出たことは無かった。
※ ちなみに私の動画撮影で一番多いのは詳細は省くが4K 120p 10bitである。
ここから本題
さて、そんなわけで撮影を行っていたところ、ふとした瞬間に 一台のカメラ(主に動画撮影に使っていた方)でいきなりエラーが出た。
カードの認識エラーである。
(エラー画面を記録しておけばよかったが、撮影中はそれどころではない)
そのまんまだが、カードが認識されなくなった、ということらしい。
血の気が引く瞬間である。
既に撮影したデータはどうなのか、復旧されるのか、といった心配はあるが そんなことよりもそのまま撮影を継続しなければならない。
ということで急遽カードを入れ替え(確かAngelbirdの512GBに換えた) その場は極力ロスしないように撮影を継続した。
ひと段落して改めてカードを入れてみたが、同じエラーでやはり認識しない。
その場ではどうしようもないので諦めることに。
その後撮影を終えて帰宅後データ整理、エラーの出たカードの中身は… 幸いなことにPCでは普通に読み込むことができた。
血の気が戻ってくる瞬間である。
1つだけファイルが壊れてはいたが、それだけで済んだので問題ないと言っていいだろう。 PC側でフォーマットしてみたところ、問題なくできた。
その後カードをカメラに入れてみた所エラーも出ず、カメラ側でフォーマットし問題なく撮影できることを確認、現場での突然のエラーで困ったのは事実だが、これで済んでよかった。
なお、私はProGrade Digital純正のカードリーダーライターを使用している詩 Refresh Proというカードの寿命など見られる専用ソフトも使用している。
これで済めば、信頼してるカードでもたまにエラー起きるね、という話である。
が、しかし
再び起きてしまった。
1度目のエラーから3~4日後だったろうか。
撮影を始めた矢先に、件のカードがまた認識エラーを吐いた。
このエラーの厄介なところは「カメラがカードを認識できない」エラーであるということ。
つまり、まだ撮り始めたばかりだからいったんフォーマットして、ということもできない。 フォーマットしようにも認識できないのだ。
差し直してもエラーは消えないしフォーマットもできない。
幸いその日の撮影は私が100%フルで撮らなければならない現場ではなかったので ちょっと失礼して、メーカー保証の確認をしてみた。
ちなみにProGrade Digitalは日本ではAmazonが正式代理店になっているので Amazonで購入していれば保証が受けられるはず(正確なことはちゃんと各自で調べてね)
私もAmazonで1年半ほど前に購入したものだったので、商品の購入履歴から 「こういうエラーが立て続けに出ちゃってめっちゃ怖いんですけど、保証ってどうなってましたっけ?」みたいな確認メッセージを販売者(ProGrade Digital)に送ってみた。
その時のAmazonでのやり取りの一部がこちら
なんと、新型に即交換である。
即断即決なんてものじゃない。
ちなみに送ったのはこの10分前くらい。
9/23といえば元々土曜日、しかも秋分の日で祝日。
企業のサポートセンター自体が対応してなくてもおかしくはない。
それをわずか10分で返答があった上に「即新品送ります!」という対応。
これには驚いた。
その後やり取りをし、返送先(私の住所)について確認できた時点でその日のうちには向こう側が発送手続きを行ってくれ、結局翌日のお昼には新品(新型)を受け取ることができた。
(なお、新品が送られてきた中に返送用のレターパックの封筒が入っており、故障品はそれに入れて送り返す形。何日までに、といった細かい日程は話にも出ておらず驚き。私はもちろんその日のうちに返送手続きしましたが)
信頼とは
さて、大事な撮影データを日々書き込むメディア、カードに最も大事なのは信頼である。
大事な時にエラーが出てしまった、という点では大きくその信頼を損なうと言っても過言ではない。
しかし、少なくとも私はXQD時代から含めてD5、D6、D850、Z9その他もろもろで 相当な量の撮影を行ってきて、一度たりともエラーが起きてないメーカーの方が少ない。
以前に書いたかもしれないが、SanDiskでも一度起きた。
Angelbirdでも起きた。
私個人の経験では、恐らくソニーは一度も起きていなかったように思うが、そもそもソニーは所有枚数も使用頻度も高くはないので、使用における故障・エラー率でいえばどうなのかは分からない。
そして今回ProGrade Digitalでも起きた。
初めて名前を聞いた時は「プログレード」なんて大きく出たもんだ、と思いながらも メインのメディアとして相当数使ってきた。
確かに今回、大事な撮影の最中にエラーを起こし 直ったかに思えたのにまたすぐ起きた、という点では非常に困らされた。
しかしこの対応はどうだろう。
ちなみにメディア故障の際に、連絡をすると新品(型番が変わっていれば新型)に交換してくれる、というのは私の経験上は今までどのメーカーもそうであった。
とはいえこれもメーカーごとに保証内容は色々なので各自で確認して欲しい。
(永久保証を謡うメーカーもあればX年間の保証というケースも)
ただし、メーカーによっては ・まずこちらが故障品を発送 →メーカー側が使用の仕方に問題が無く、報告したエラーを確認(再現)できた →新品交換品を送り返してくれる
というケースが多かったように思う。
しかし今回のように、こういう状況ですけど保証って聞きますか?と聞いた時点で 「新品送ります!住所分かればすぐ送ります!」みたいなのは初めてだったように思う。
どんな機材でも周辺機器でも、故障しないに越したことは無い。
当たり前である。
だが、工業製品である以上、初期不良が混ざってしまったり 使っているうちに故障やエラーが起きるのは致し方ない部分でもある。
そもそも私みたいな使い方は、同じカードを使っている人の中でも上位数%だろうから そのケースを取り上げて「このカードが壊れた」「エラー起きた」と騒ぎ立てるのは違うだろう。
むしろ使いまくってるうちにはそういう事が起きる、というのを前提に こちらは予備カードを常に携帯するし、使い方にも気を付ける。 そしてメーカー側は、そうした事態にはどう対処するか、というのが重要になって来るのではないだろうか。
少なくとも私は今回の件でProGrade Digital社への信頼度は増したし 万が一壊れてもすぐに対応してもらえる、という安心感を得た。
もちろんこちらが旅先であるなど、直ぐに受け取れる環境でなければ困っただろうが、それは恐らくどのメーカーであってもどうしようもない部分だろう。
というわけでニコン的には最近Nextorage推しっぽいが 私は次に買うカードも恐らくProGrade Digitalだろうな、と思っている。
純正のカードリーダーライターも持ってるし。
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