どうも、寝不足が酷く目がしょぼしょぼ。
というのも昨夜3時ごろにカミナリに叩き起こされたからである。
雨自体は寝る前から降ってたような気はするが 3時過ぎの一撃は距離が近かったのか、あるいは桁違いの威力だったのか 完全に寝ていたはずの私を飛び起きさせるに十分な轟音だった。
どどーん、とか、ごろごろー、というよりは ずっばぎょん!!!みたいな。いや、擬音表現はどうでも良い。
とはいえ雷がなったからといって何ができるわけでもなく 家の中にいるのが安全だし、そのまま布団をかぶって寝るしかないのだ。
しかし、一度目が覚めてしまうと、それからも数分おきに響く 雷鳴がどうにも気になってしまってなかなか寝付けそうにない。
というわけで、カメラマンの端くれとして せっかくなので雷を撮ろう、と思い立ち、寝ぼけたまま布団から這い出た。
雷を撮る、と言っても、雷が光った瞬間にシャッターを押す、みたいなことではない。 そんなことをしても、人間もカメラも反射速度が光速並みで無いと撮れないからだ。 んなこたー分かってるんだよ、という方もおられるだろうが一応書いておく。
ではどうするか、というとシャッタースピードを落とす。 カメラの設定でシャッタースピードを落とせばシャッターが開いてる間の全てが記録されるため、その間に光ってくれれば撮影できるわけだ。
星の動きを撮る長時間露光などもこれだが、そこまで長くする必要はなく 通常のカメラの設定で最長の30秒にしておいた(20秒くらいのも含めて試行錯誤しながら)
シャッターを長く開く、ということは、それだけ光を受け取る時間が長くなる。 暗いところでも明るい写真が撮れるわけだが、いくつか弊害もある。
・手振れする シャッターが開いてる間の全てを記録するのだから その間にカメラが動けば、その動きもすべて残像になってしまう
・長すぎると明るくなりすぎる 長時間光を集めるので深夜3時~4時の暗闇でも昼に近い明るさの写真が撮れる。 逆に言えば夜空に稲妻が走る様を撮るには、明るくなりすぎかねない。
というわけで解決策は ・三脚を使う 手ブレ対策ならこれっすよね、という王道。 しかし今回私は、雷が多そうな方角の窓から撮りたかったので そちらにカメラを向けたところ、ちょうど三脚を置けるスペースが無かった。 そこで私は窓際にカメラを置き、程よい角度で固定するために ノートPCのsurfaceを強引に利用した。
再現するとこんな感じ。スマホからの写真。
D850に、レンズは少しでも広い範囲をカバーするために広角をということで 魚眼のAF-S Fisheye NIKKOR 8-15mm f/3.5-4.5E ED
とりあえずsurfaceのスタンドがしっかり支えてくれているので手振れ対策はバッチリだ。
もう1つの明るくなりすぎる、いわゆる露出オーバー対策には 例えば、NDフィルターを使うというのがポピュラーだ。
これはレンズの前に付けることで、入ってくる光の量を半分とか4分の1とかに 減らすことができるもので、例えば川や滝の水の流れを撮りたいとか 夜に走る車のライトの軌跡を撮ろうとしたが、 シャッタースピードを遅くしたら、光が入りすぎて真っ白けになってしまう という時には非常に便利な代物である。
が、魚眼レンズはねじ込み式のフィルターが付けられないし そもそも私はNDフィルターはほとんど持ってない。
ということで露出オーバー対策として速攻でできる簡単な方法として ISOを落とし、レンズを絞った。
どちらもレンズを通す光の量を減らし、また光に対する感度を落とす。
とまあ、寝ぼけたまま、雨が吹き込んでくる窓際で とりあえずカミナリが撮れれば、という思いで設定していたわけだ。
なお撮影設定は色々な手段がある。 シャッターを自由に開けられるバルブ撮影というのもあるし リモコンなどもあるのだが、とにかくこういう思い付きでやる時は カメラ自体の設定ですぐにできることをやった方が良い。 カミナリは時間によってはすぐに落ち着いて静まってしまうからだ。
そこで私がやったのはこの方法
・セルフタイマー連写
カメラによって色々だろうが、少なくとも私の所有するニコン機は セルフタイマーの設定で 何秒後に、何回撮るか、というのを変更できる。
集合写真などで使う事の多いタイマー機能だが 人数が多いと、1枚撮っただけだとXXさんが白目向いてたとか ○○さんが横向いてたとかになりがちで その都度カメラと自分の立ち位置を行ったり来たりしてられないので 10秒後に3回撮って、みたいなことができるのだ。
今回は1枚当たり30秒ほどのシャッター時間で撮るわけだが 30秒の間にカミナリが画角内で光らないと光跡は写らない。 かといって30秒ごとに「だめだったか、もう1回」なんてことはしてられないので このタイマー機能を使った。
そう、タイマー自体はどうでもいいのだ。 2秒後に「9枚」撮って、という設定にしておけば(9枚が最高設定だった) 30秒間シャッターを開けてカシャッ、というのを9回やってくれる。 270秒、4分半の間、雷が光るのを待ち構えてくれるわけだ。
もちろん、9枚終わった直後にまた撮れば、さらに9枚、270秒である。
色んなやり方があるのだが、カメラ設定をちょいとやるだけで とりあえず数分間は空を見張ってくれるのはありがたいし 眠くなったらそのまま寝てしまっても別に大きな打撃もない。
(吹き込んでくる雨で機材がびしょ濡れになることはあるが、ニコンだし大丈夫だろ、という謎の信頼感がある)
前置きが長くなったが、そんな設定で何度かトライしてみた。
今のは良い感じで光っただろ!というのがあっても
写真としてはただ単に明るくなってるだけ、というのもあり
光跡が確実に画角内に無いと、いかにも雷という写真にはならなかったが
幸い、1枚だけ撮れていた。
あれだけ御託を並べて露出オーバーにならないように、等と言っていたが 実はこの写真、あまりの雷のパワーで真昼間を超えて白い写真になっていた。
さすがにそれでは雷がよくわからないので、現像で露出をぐんと落とした。
通常、アンダー(暗くなってしまった写真)は現像時にちょっと上げてやると 真っ黒になってしまったような部分からも色が出てくるものだが オーバーで完全に白く飛んだ部分は難しい。
が、それでもがんばってくれたD850(のセンサーとlightroom)には感謝である。
狭い窓からでも一枚撮れたし、寝るか、ということでこの日の夜戦は終了である。
なお、雷の撮影はもっと広い画角の方が有利なのだが もちろん、危険が伴うため、だだっ広い野原に三脚を立てて
といったことは絶対にしないように。
カメラが壊れるくらいならまだいいが、雷に打たれれば高確率で死んでしまう。
自然を侮ってはいけないのだ。
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