• Giro

古き良きf1.2

先日、某ショップでAi Nikkor 55mm f1.2が出ていた。 Ai Nikkor 55mm F1.2といえば1970年代後半の古いレンズである。


古いとはいえ、さすがにマウントは1959年のニコンF (世界に先駆けて一眼レフスタイルを定着させたあの名機)以来 60年以上使われているだけあって現代のカメラにも装着は可能



とはいえニコンは、マウントの形状は同じ中でも Ai化したものとそれ以前など細かい違いはあるのでなんでも付くわけではなく 場合によってはパーツが折れる、レンズが外せなくなる、といったケースもあるので 気になる場合はまずは詳しい方や専門店、メーカー窓口で相談してみた方が良い。


しかし考えてみれば、Ai AF Nikkor 50mm f/1.4Dなんかは 25年くらい前に出たレンズなのに、未だに新品購入できるのだからすごいね。



そろそろZマウント用の最新型50mm f1.2レンズが出そうな状況なだけに ちょっと迷いはしたが、中古レンズとの出会いは一期一会なことはよく知っている。 結局思い切って購入に至った。



そういえばロゴも微妙に今とは違うんですね、なんて思いながら。




当たり前だがいわゆるカニ爪もついている


Ai化の証だ。

鏡筒にやや傷がついているが、中古レンズを選ぶ際には大して重要ではない。

幸い、レンズ内部は問題なく綺麗だった。


決して大型レンズといういで立ちでも無ければ 格別重いわけでもないが、このサイズの割にズシッと来るのは いかにもレンズの集合体、という感じでやはり気が引き締まる。


設計、硝材、コーティング、色々と現代とは違うのは承知の上だが 当時の技術の粋が詰まっているのだろうという事を感じさせる。


さっそくD850に付けてみた。



D850は2017年デビューなので、カメラとレンズの年齢差はおおよそ40年くらい?

しかし、しっくりくるのだからニコンの変わらない良さを感じる。


縦グリを付けているとさすがにカメラに対してレンズが小さく感じるが グリップが無ければ、ちょうどいいバランスだっただろう。




極端に大口径なわけではないが、やや威圧感というか迫力がある。

眺め、触っているだけで楽しいレンズというのは良いレンズの条件の1つかもしれない。



とはいえ、撮らずにいるわけにはいかないので さっそく家の周りで軽く実写してきたのでそのデータを。






開放f1.2、ぼやぼやトロトロ、なんとも不思議な描写である。

近年の高解像レンズとはかなりベクトルの違いを感じるが 光の入れ方によって、周辺減光を目立たせたり緩和したりという事を意識すれば 印象的な画作りができそうなのは間違いない。



とはいえ開放はさすがにシビアである。

ピントがどこに来てるのかさえ、かなり苦労することになるし ぼけはどういった条件が一番きれいに出るか、掴んでいかなければならない。



というわけで、次はほんの少し絞ってf1.4で。

55mm f1.4ということで、愛用しているAF-S 58mm f/1.4Gと 数値上はほぼ同じになるが、やはりこれくらいが一番慣れている感はある。



何を撮り、何を立たせるか、が明確になりやすい。

もちろんまだまだ解像力は現在レンズには劣るが開放とはけっこう画が変わる。




最後に一応f2まで絞ってみた。



解像部はさすがにキリッとしているが、微妙な距離感のものは ボケというか滲みというか、なんとも難しいところである。



個人的にはf1.4くらいの描写が一番好みだが、被写体や条件 背景の整理によって少しずつ絞りを変えて撮る楽しさが味わえるレンズだろう。



噂通りにZの50mm f1.2が出れば、45年近い技術進歩、そして設計思想の違いを 存分に感じながら楽しめることだろう。今から楽しみである。

© Giro