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執筆者の写真Giro

ポートレート再考

以前にも何度か書いたが 私はあまりポートレート撮影をしない。


基本的に、人が絡めば 相手の意思や思惑を知らなければならない。 仕事での依頼同様、相手の意図や考え方を把握することを前提にしなければならないのだ。


その部分での擦り合わせに時間や労力がかかることもあり 正直にいって得意でもなければ好きでもない。



が、それらは全て「撮影にまつわる労力や気遣い」の部分の話であり ポートレートが嫌いだとか、人は撮らない主義だ、というわけではない。




さて、そんな私も年に何度かはポートレートを撮る。

素敵だなと感じるものを撮影すること自体は、もちろん苦ではないので 相手の方との関係性によっては非常に楽しいことだし、ありがたいことだと感じている。


仕事として相手から依頼されるケース レンズやカメラ、照明機材などのテストのためにモデルさんに協力してもらう場合 また、ある程度は気心の知れた方とのやり取りの中で、そういった機会もある。



機材テストの場合はともかく、それ以外では、前述のように 基本的に相手が人間である以上、相手の意思や意見を尊重する必要があるので 撮ったからといって勝手にアップするわけにもいかず そういう面でも気を使うので、簡単な事ではないが。



ロリィタ ポートレート
model: kurage*さん

私の場合は、基本的に写真というのは、現行機材を使って その場の光をどう切り取るか、ということが主なので より可愛く、より美しく、その為には加工やライティングをバリバリにこだわって… みたいな事はあまり考えていない。


残念ながらポートレートではそういったカメラマンは好まれないと思う。

多くの場合、モデルさんはより美しく、より可愛く、撮って欲しいという思いが 少なからずあるだろうし、ベクトルとして最初からそちらに向いていないというのは やや異端な向きすらあるのかもしれない。



しかし、このレンズならではの解像、ボケ描写 センサーチューニングによる色味や諧調性の特徴と

被写体との関係、相性などを考えながら機材選択、設定を行うのが カメラマンの役割である、という私の持論は仕事でもこういったケースでも変わらない。 その結果としてモデルさんに納得いただければ、それがベストだと思うし そうでなければ別に世に出す必要もない。




だが、自分というカメラマンがいて、それなりにこだわっている機材があって 自分のお気に入りのスポットや、お召し物を撮って欲しい 記録として残したい、という人がいるなら、そのお役に立てるのであれば それはそれでカメラマンとしてすごく大切な事ではないかな、と 最近はそう考えるようになった。

model: kurage*さん

「ポートレート撮ります!  ポートレート好きと繋がりたい!」 みたいなタグでモデル・カメラマンを探している方々とは 恐らくベクトルも思想も全く異なるとは思うが だからこそ自分が役立てる場面もあるのだとしたら、今後も応じていきたい。

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